夫婦生活の重要度・SEXの内面を見直す
なぜ、最高に愛している夫婦が、時が経つにつれ、夫婦のセックスに打撃を与えるのでしょうか?
特に日本人は、セックスにおいて夫婦の間で問題があっても恥ずかしくて言えない、セックスについて話しをするのはタブーのような文化になっています。
欧米など、ほとんどの夫婦はどちらか一方が不満がある場合、夫婦でセックスについて何が不満かを何度も話し合うようです。また、専門家によるカウンセリングを夫婦で受けることもあるようです。
セラピストでベストセラー作家Esther Perel(エスター・ペレル)のTEDでのスピーチが参考になります。著名人もセックスについてスピーチする時代です。
TED よりEsther Perel(エスター・ペレル)[長期的な関係で望む秘訣]
男と女は安全性と冒険性を求める
夫婦関係において、1つ目のニーズは、
安心感、信用、信頼感、永続性があること。これらは私たちの生活の基礎となるもので『家庭』です。
夫婦関係において、2つ目のニーズは、
男性も女性も同じように抱く強いニーズです。冒険や目新しいもの、謎やリスク、危険などの未知のものや予測できないもの、驚きなどです。
つまり『安全性』と『冒険性』のあいまったものを男女関係に求めているのです。昔は、子供を持つことや社会的地位において継続性や仲間を獲得するものでした。現在の私たちもパートナーに同様なことを求めますが、加えてベストフレンドでいてほしかったり、忠実かつ情熱的な恋人や夫婦関係を求めます。
夫婦関係を良好にするためには、欲望と繋がりのあるセックスを得るために、この「安全性」と「冒険性」の両立が必要になります。
愛を受ける動詞があるならhave(所有する)欲望を受ける動詞があるならwant(欲する)
恋愛では愛する人を自分のものにしたい、理解したいと思います。距離を縮めたい、隙間を埋めたい、緊張をほぐしたい、親密感が欲しいと願います。
その願いがすでに得られたら?欲望はすでに経験したことは望まれないものです。予測できるものには興味をそそられない。
欲望は、異質な場所や自身にとって魅力ある人と過ごしたり、禁じられた場所を覗くスリル感やワクワク感、ドキドキ感を感じることです。
欲望については、非現実の世界への架け橋と雰囲気が必要です。
例えば、「どんな時にパートナーに強く惹かれますか?」と聞いた時に、(ちなみに、性的ではなく、人として最も惹かれるときです。)様々な文化、宗教、性別を超えて、同じような答えがいくつか見られました。
1のグループは、
夫婦が離れ離れになって、なかなか逢えない時、離れていた二人が再開した時、つまり自分が逢いたいと強く思う、相手といる姿を想像できる力、想像力を高めることです。想像力が根付いた時、これが欲望の大きな要素です。
2のグループは、
パートナーが働いているときや得意分野で働いているとき、夢中になることをやっている最中、他の人がパートナーにすごく惹かれているのを見たときや周囲の注目を浴びているのを見たときなど。つまり、パートナーが輝いていて、自信たっぷりでいる姿を見たときが最も惹かれる状況。輝きとは、独立自尊です。
独立自尊とは‥他人に頼らず自分の尊さを守ること。「―の精神」
『それは、いつ惹かれるのか?』丁度よい距離からパートナーを見たときで、一瞬何となくミステリアスで、捉えどころのないように見えるのです。この丁度良い距離感が、エロチックで相手に引き寄せられるのです。例えば、パートナーが何をしているのかを新しい目で見たとき、一瞬「あれ?」と思います。よく知っているはずのパートナーにまだ知らないことがあると気づきます。
パートナーの魅力を見た時、よく知っている相手なのに、いつもと違う新しい一面を目にすると惹かれるのです。つまり新しい目で見ることなのです。
欲望とお世話をすることは全く別です。パートナーにお世話をするということは、深い愛であるとともに強力な反・媚薬でもあります。誰かを欲することとは別のもので、世話をされる、または世話をすることで欲望は失われます。特に女性は欲望が失われてしまう可能性があります。親しく振る舞うほど、たいていは、性的なエネルギーは下がります。
夫婦関係を良好に、また精神的な繋がりを持続するために、お互いが男と女の意識を高めることがとても大切になるのでしょう。新しい目で見ることなのですね。
3のグループは、サプライズがあったり、一緒に笑っている時のパートナーの新しい一面をみた時に欲望となるのです。つまり新鮮さや目新しさです。(SEXのテクニックの新しさではありません)目新しさとは、自分のどの部分を出せるか、自分のどの部分を見られているかなのです。逆も然りです。
1~3のグループを見ていくと、ある意味ではSEXは行為ではない。とも言えます。
SEXは、自分とパートナーのココロが一体になることです。
ではSEXすると
・「どこに行きますか?」
・「あなたのどの部分とつながりますか?」
・「そこで何を表現されたいですか?」
・「上品ぶらなくてもいいですか?」
・「安心して大胆になれますか?」
・「あなたが身を委ねてよくて、責任を求められないところですか?」
・「幼児的な願望を表現できる場所ですか?」
・「そこで、何が芽生えるでしょうか?」
こうした言葉が出てきます。行為だけではないのです。その言葉通り精神的な部分です。
歳を重ねる度に、また結婚生活の年月を過ごす度に、官能的知性や魅力を高める必要もあるのではないかと感じます。
官能的な生活を営むのは私たち人間だけです。
動物もSEXをします。動物は生物学上生まれ持った本能です。ただし、官能的な生活を営むのは私たち人間だけです。人間の想像力によって形成された性的能力なのです。人間だけが何時間も愛し合うことができ、至極の時間を過ごし、何度もオーガズムを経験できます。また誰かに触れることなく一人でも可能です。私たちは想像力を持っているからイメージだけで実際にSEXする必要がないのも事実です。私たちは想像というパワフルな力があります。想像することは欲望の基盤で、まるで実際起きているかのように体験できる力です。これらのすべてを体験できるのです。
この想像力は「夫婦のセックスを高めるために」「日常生活の質を高める」「仕事のステップアップ」など、すべてのことがらに活かすことができますから、
夫婦の時間と日常生活をより良く切り替えることもできますよね。
主役は想像力です
SEXは精神的なものも含まれている。その材料は、想像力や遊び心、目新しさ、好奇心、神秘性でしょう。主役は想像力です。
愛情と欲望における矛盾について
愛を育てるはずの相互関係、相互依存、守る、気づかい、パートナーへの責任といったものが、時に欲望を抑える材料でもあるということです。なぜなら、欲望には多数の感情があり、そのすべてが愛情と折り合いが良いわけではない場合もあります。嫉妬や所有欲、攻撃性、力、支配、下品だったり、厄介だったり。私たちの多くが夜になると興奮しますが、日中にはそういうことを嫌いなふりをします。エロチックな考えは、道徳的には問題とされます。でも、私たちの頭の中は自分の愛する人の前でどのように振る舞っていいのかわからないことだらけなのです。なぜなら、愛は無私無欲だと考えているのに、欲望はいい意味でどこか利己的な面があるのです。相手が目の前にいる時でも自分らしさを失わない力とも言えます。
利己的とは‥
自分の利益だけを追求しようとするさま。「利己的な生き方」「利己的な態度」
愛情と欲望は相反するものですが、その前に、日常からから夜の生活まで1人の男と女です。「依存や所有」「上から目線や支配」は本当の利己的な考え方になってしまいますが、真実は「平等な関係や感謝の気持ちを伝え合う、思いやりや夫婦関係の目的、コミュニケーション」その上で「変態性やさらけ出せる関係、新しい挑戦やお互いの魅力を引き出し合う」日頃からの愛情が、欲望をも無私無欲にさせるのだろうと感じます。
もし、相手が新しいことに挑戦しているのに、「心配で不安だ。早く帰ってきてくれないと元気が出ないんだ」と言ったらどうでしょう。相手はそのつながりを保つために自分の自由が失われるのです。愛し方には、ある種の癖がつきます。それは、過度の心配や過度の責任感や過剰な保護によって歪むのです。相手との距離を置くことができず、自由に出かけたり、喜びを体験したり、新たな発見をしたり、自分の中に入り込むことができません。
性生活が充実しているカップル(夫婦)が行なっていること、知っていること
01.性的なプライバシーが十分にある。
(夫婦の秘密を持つこと)
02.彼らはお互いにエロチックになれるスペースが守られていることを知っています。
(絶対的な安全と信頼の関係です)
03.SEXの前戯は5分ほど行うのではなく、前のオーガズムが終わってから始まることを知っています。
(日常生活から男女としてのコミュニケーションが取れている、また高めている)
04.お互いのからだを、ただ撫でることだけではない。
(雰囲気を創っています。想像力を持っています)
05.情熱には波があることを知っています。ただし、彼らは火が消えても、再び情熱を戻す方法があると知っています。
(お互いの魅力を引き出し合っています。そしてお互い尊重しています)
06.長期的な恋愛に努力なしに新しいことは起きないことを知っています。
(場所やシチュエーションなど工夫しています。また新しい刺激を求め合うことをしています)
私たち、人は想像力をどこまでも膨らますことができます。精神的にふたりで新しいことや刺激、安心感や遊び心、また、活力やバイタリティ、神秘性やエロチックが満ち溢れます。私たちには「安心感」と「冒険心」があります。ふたりの愛はもっと深くそして、まだまだ新しい経験をふたりですると意識を高めて、想像力を持ち続けることが必要なようです。
一見、「愛情」と「欲望」は相反するように見えますが、夫婦はお互いが、精神的心地良い居場所だったり、刺激し合う関係だったり、ふたりが目新しいことを見つける意識と見る目を変えることで、「愛情」と「欲望」併存になり得るのです。
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