夫婦で初めての体験
新聞配達を手伝って気づいたこと
まだ、ひとが眠っているしずかで薄暗い街を夫婦で歩いた。
集合時間は朝の4時。遊びに行くときだったら、気持ちが弾んでいるのだが、その日は緊張感と使命感のみがあった。
今まで、意識していなかったことを感じることができた。
世の中にあるすべてのことは「当たり前」では無いことを。
そのことを感じることができるようになったことは、新聞配達を手伝った一番の恩恵だ。
しかも夫婦で。また、夫婦の初体験が一つ増えた。
知り合いの女性がしている新聞配達を手伝った
知り合いの65歳の女性が、朝だけ新聞配達をしている。聞くと10年前から健康のためにしているようだ。彼女は、右足が悪い。歩く姿もぎこちない。何かを感じ手伝うことにした。集合時間は、AM4:00。西の空には、沈む前の満月が目に入った。
早起きは、三文の得以上に得るものがある
私たちは、朝は早く起きるスタイルを意識している。朝日を浴びて自然に感謝しながらジョギングや運動をしたり、英会話のレッスンをしたり、朝が充実すると1日が得をした気分になる。カラダもココロにも活力が溢れるからだ。ただ、AM4:00集合は、さすがにプレッシャーを感じた。
新聞配達って凄いと感じた。
彼女が担当しているエリアは、私の住んでいる家も含み100件ほどだ。まずは、カートに新聞を入れ、ゴロゴロとあるき始める。自宅の近くのこんなに細い道は歩いたことがない。1軒1軒ポストに新聞を入れていく。なかなか大変な仕事だ。その作業よりも、365日同じ時間に行うことのほうが凄いと感じた。
100通りの生活模様を感じた。
新聞を配る家は、大きな敷地もある大豪邸や、100年近く前に建ったのだろう思うぐらいの迷路のような古いアパート、若者が住んでいそうなハイツや、ポストの横の壁に「習字教えます」の張り紙がある木造の一軒家、150世帯ある13階建ての団地や、セキュリティがキッチリしている分譲マンションなどで、その家の雰囲気や、匂い、電気が既に点いていたり。そこには、それぞれの生活があるのを改めて感じた。
びっくりしたこと
ポストのカタチに応じて、新聞を二つ折り、三つ折り、四つ折りに変えたり、13階建ての団地では、集合ポストに入れるのでなく、1件1件玄関まで届けたり。一番感心したのは、ポストに新聞を入れる入れ方だ。そこは、ドアにポストがあり床まで落ちるタイプだった。「ここは、新聞をポストに落とすのでなく、挟むだけ」と言われた。理由を聞くと、腰の悪い老人がひとりで住んでいるので、かがむのがキツイからだ。そこまで対応しているとは。
初めての体験で気づいたこと
01.
365日毎日同じ行動を同じ時間に
雨の日も、冬の寒くて真っ暗な日も、毎日同じ時間に活動することは、いくら仕事でもなかなか出来ない。それを何十年も続けることは。私たちも継続すること、継続の仕方を改めて考え直した。
02.
モノと一緒に気持ちを届ける
何ごとでも一緒だと思うが、モノを届けたり、渡したりするだけでなく、そこには、「感情」を付けることで、その行為の意味が大きく変わる。
03.
すべてのことに意味がある
毎日のルーティーンの活動でも、小さなことでも、そこには全てに意味がありそれを感じることで、ひととして成長できる。
04.
人生100人100色
全てが同じは決してない。家庭や生活も100家族100色。それがあたり前なので周りは気にすることなく、自分たちはどう考え、どう行動するかが大切である。
05.
見えないものを観る
目にみえているものだけでなく大切なのは、その先にあるもや、その裏にある何かを感じることが大切。今まで、サラッと目を通すだけの新聞でしたが、届けてくれる方に感謝もできるようになった。当たり前と思うこともあたり前ではない。
最後の1件を配達終える頃には、朝日が出ていた。一日の始まりだ。どんなきっかけであっても、初体験は、多くのことを気づかせてくれる。私たちは、新しいこと、今まで経験したことがないことを、楽しんで体験する夫婦だ。それの経験が私たちを成長させることを知っているから。これからも、彼女を手伝って新聞配達をしてみようと思った。刺激ある体験を早朝から出来ました。
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